土地を手に入れて、転売せず、自分たちで開発する。自分たちの手で運営したり、テナントを呼び込む。
一昔前は120名ほどの従業員を抱えそんな事業をやっている会社でした。ダイニング、セレクトショップ、
アミューズメント…いろんなものを手がけました。どのお店を作るにも一軒一軒デザインやコンセプト作
りから僕自身が手がけ、店を出すたびに建築雑誌で取り上げられたものです。バブル期には、周囲で
税金対策にあちこちのオーナーが、片手間にお金だけだして飲食店を作るケースもたくさん見てきまし
た。お店のコンセプトやサービスはおざなりなのに、ちゃっかり自分用のVIPルームは用意していたり…
そんなお店たちの経営が立ち行かなくなる姿もたくさん見てきました。「お金や自分の欲だけしか見て
いないようなお店は、自分では絶対やってたまるか!」と自分を戒めたものです。そして時は過ぎ、自社
物件の企画やテナント管理が主な仕事になるにつれ、「お店をやらないなら…」とたくさんのスタッフが
会社を去っていきました。僕自身としては、「お店をやる側だった経験は、必ずやテナント管理に生きる。
お店側の立場になったテナント企画や管理ができるはず!」と信じ社員の力を引き出そうとは頑張った
のですが…。そしてついには、本当に必要最低限の人数しかいない会社になってしまったのです。